英国ヴィンテージ家具メーカーG-PLAN(ジープラン)のロゴの進化
1898年に英国で創業された、ミッドセンチュリーを代表するイギリス家具メーカーG-PLAN。
ヴィンテージ家具メーカーとして今もなお人気を誇るブランドだからこそ、歴史と共に変化し続けてきた。
会社の顔として世の中に広がり続けるロゴも、時代に合わせて常に改良を重ねてきたG-PLAN。
ミッドセンチュリー家具の"いつの年代の"ヴィンテージ家具なのかが、ロゴの変化で認識できる。
意図したロゴの変更ではないかもしれないけれど、結果としてさらに一点ものの価値が高まっていくのだ。
G-PLANのロゴの歴史をご紹介
記念すべき初めてのG-PLANロゴ
1950年〜1960年代に作られた家具に刻印されているのがこのデザイン。
創業者であるEbenezer Gomme (エベニーザー・ゴム)氏の頭文字「EG」がメインとなってるの。ゴールドカラーは豪華で派手なだけでなく、木材と馴染むのもポイント。
うっすらと光り輝くロゴが、G-PLANのヴィンテージ家具をさらにカッコいいと感じさせてくれる。
デンマークデザイン版G-PLANの初期のロゴ
初期のデザインと同じ時期に、デンマーク人デザイナーIB KOFOD LARSEN(イプ・コフォード・ラーセン)が手がけた家具には別のロゴが刻まれている。
E.Gomme社の三代目であるDonald Gomme(ドナルド・ゴム)が、デンマークからIb Kofod Larsen(イプ・コフォード・ラーセン)を迎え入れ、彼がデザインしたG-PLAN家具の証明が、このロゴということ。
同じ時代でも、ロゴの違いで北欧デザインを取り入れているのが伝わってくる。
1960年半ば-1970年代前半にかけて大きくリニューアルされたG-PLANのロゴ
今までゴールドの刻印が目印のロゴから、赤を基調としたステッカータイプのロゴに転身。
北欧デザイン家具が流行してきた時期に入り、G-PLANのロゴを変更する必要があった。
そこで、ステッカーを情熱やエネルギーを象徴する赤色に変更し、ブランドの活力を表現することに成功したと言われている。
北欧デザインをいち早く取り入れた勢いを市場に飲み込まれないために行った戦略。
いつの時代も常に変化を求められていることが伝わってくるのも、ロゴの変化の醍醐味なのだ。
1970年代半ば-1980年代半ばにアップグレードしたG-PLANのロゴ
大きくロゴデザインを変更してから10年後、新たに当時のモダンなスタイルと初期のゴールドカラーのフォントにアップグレード。
赤の貴重は変えず、文字の素材をメタリックに変更したことで、より華やか且つ上品なデザインへ。
小さな変化も時代に合わせて進化させていく。そのこだわりこそ、長く愛されるブランドの秘訣なのかもしれない。
このロゴが入ったヴィンテージ家具をチェックする(コーヒーテーブル)
1970年代半ば-1980年代半ばのアップグレードしたG-PLANのロゴ。
シンプルで文字ベースのロゴに焦点を当てることを優先した新しいロゴ。
今まで以上にシンプルなデザインにすることで、一目でG-PLANと分かることを意識したそう。
今の時代でも高級感あるモダンなイメージと感じられるのは、1990年代の高度経済成長期という世界的に大きな時代の変化があった背景も味わえる。
1990年代にアップグレードしたG-PLANのロゴ
さらにアップグレードした新しいG-PLANのロゴは、周りにボーダーラインが入って、ロゴがしっかりと家具に示されているのがより分かりやすくなった。
当時、デザインが多様化し、消費者の好みが変化していた頃。
だからこそ、ボーダーラインを加えることで、文字がより視覚的に際立つことを意識してデザインされたと言われてる。
差別化のため、一人でも多くの人にG-PLANというブランドに気づいてもらいたいという想いによるアップグレード。
デジタル社会になった、今の時代でも共感する話。
2000年代以降のG-PLANのロゴ
最新のロゴは、大きい「G」から「PLAN」の「N」とのバランスが、サインで書くときのような感じられるサイズ感にこだわりを持っている。
このデザインによって、親しみやすさ、温かさをキープしながら、私たち消費者との繋がりを感じてもらえるようにという想いが込められている。
よりスタイリッシュに分かりやすく、どこか親しみを感じることが実感できる。
時代におけるロゴの変化と人々の想い
現在、G-PLANの創業当時のEGomme社は売却され、キャビネット・テーブルなど家具によって売却先が異なる複数会社の手に渡ることに。
時代が変わるからこそ面白い。
そんな風に前向きに感じながらも、いつの時代も次世代に向けて常に変化が必要であるということを、G-PLANのロゴの変化によって気づくことができた。
どの時代のG-PLAN家具に出会えるかと考えるワクワク感。
一点モノのヴィンテージ家具という視点だけでなく、
"その時代の"G-PLANに出会える楽しさを味わってみては?