ヴィンテージ(ビンテージ)家具に興味を持つと世界共通で必ずと言っても過言ではないほど人気の北欧家具。1950-1960年代にデンマークを中心に、北欧から数々のデザイナーが手がけた家具は今もなお絶大な人気を誇り、2000年代から北欧家具がヴィンテージ家具の代表作として注目されています。そんな北欧ヴィンテージ家具の魅力と特徴をご紹介。

北欧ヴィンテージ家具の代表的なデザイナーとその作品

1950-1960年代、デンマークを中心に北欧出身のデザイナーが手がけた家具が、アメリカで注目されるようになったことで世界中で北欧ヴィンテージ家具が注目されるようになりました。その中でも代表的な4名のデザイナーはヴィンテージ家具デザイナーの巨匠とも呼ばれています。ヴィンテージ家具好きは必ず知っている4名をご紹介!

名作椅子を生み出す天才

「Hans J Wegner (ハンス・J・ウェグナー)」

北欧ヴィンテージ家具を代表するデンマーク人デザイナーといえば一番に思い浮かぶ人物。ウェグナーは、生涯500脚以上の椅子をデザインし「椅子の巨匠」とも言われています。また、彼は工場での製造を肯定しながらも、自分の目の届く範囲で生産できるようにアメリカでの工場生産を断ったこともあるそう。最高の椅子を作るため、それをちゃんと多くの人に届けるために人生を懸けてデザインした男、それがハンス・J・ウェグナーです。

ハンス・J・ウェグナーの代表的なヴィンテージ家具

「ザ・チェア」
一人の大統領の運命を変えた"その"椅子

「AP19 / ベアチェア」
巨匠の最期まで寄り添った椅子

「CH28/ソーバックチェア」
価値はどうやって生まれるのか?

「GE240 / 2人掛けソファ」
"大人"を嗜むソファ

「AT8ラウンドテーブル」
ビジネスはいつの時代も壁がある

庶民の心を忘れない

「Børge Mogensen(ボーエ・モーエンセン)」

ハンス・J・ウェグナーと学生時代にルームメイトとして一緒に暮らしていたくらい、仲良しだったデンマーク人のボーエ・モーエンセン。今では北欧家具を代表するデザイナーの一人として有名だけど、1950年代当時は、ウェグナーが売れていく傍で遅咲き家具デザイナーの一人でした。1959年に発表されたスパニッシュチェアで一躍有名デザイナーの仲間入りになったことが裏話としても知られているユニークな巨匠の一人です。

ボーエ・モーエンセンの代表的なヴィンテージ家具

J39 シェーカーチェア
「皆が幸せになる椅子」

スパニッシュチェア
「"ヴィンテージを育てる"醍醐味」


自由自在に曲線を操る家具職人

「Arne Jacobsen(アルネ・ヤコブセン)」

1952年に発表されたアントチェアが注目を集めたことをきっかけに家具デザイナーとして一躍名を残したヤコブセン。画家を目指すが挫折したり、第二次世界大戦の影響でスウェーデンに逃亡していたりと波乱万丈の人生の中で、家具や建築のデザインに生涯を委ねたデンマーク人家具デザイナーです。

アルネ・ヤコブセンの代表的なヴィンテージ家具

アントチェア
「最高の家具は、創造性を高める」

セブンチェア
「世界一の売上を誇るセブンチェア」

スワンチェア
「椅子を通して感じる"私の居場所"」

常識を真っ向から変えた男

「Finn Juhl(フィン・ユール)」

フィン・ユールはデンマークの建築家・家具デザイナーで、他の3人よりも少し歳上で、彼が活躍し始めたのが1940年代だから、今でいう北欧ヴィンテージ家具全盛期よりも10年ほど早くから注目されたいた人物。資格もなしに家具よりも建築を学び、さらには美術・芸術からインスピレーションを受けた独自のアプローチを貫いていました。

フィン・ユールの代表的なヴィンテージ家具

スペードチェア
「常識を真っ向から変えるブレない男」

BO46ソファ
彼は未来に何を残したのか?


北欧ヴィンテージ家具の選び方

北欧ヴィンテージ家具に限らず、家具はサイズとしても重さとしても金額としてもインテリア小物やファッションアイテム、食事のようにお試し感覚でのお買い物にはできないですよね。以前ご紹介したインタビュー記事「私の好きな空間を楽しむ人生」の中でも書かれているように、ヴィンテージ家具は一点物が多いので、好きな家具に出会った時のチャンスを逃さないためにも、家具の選び方を知っておくことがオススメ。北欧ヴィンテージならではの特徴や、ヴィンテージ家具を選ぶ時のポイントをご紹介します!

素材と色彩をチェック

北欧ヴィンテージ家具には、チーク材やオーク材などの天然木が多く使用されています。さらには、ローズウッドという木材の輸入規制がかかったという理由から、同カテゴリ木材のマホガニーという名称に変更されて日本にやってきているされていることもあります。それぞれの木材には独自の風合いや伸縮性、強度の違いがあり、経年変化によって色味や質感が深まるので事前にどんな木材が好みなのかをチェックしていると、北欧ヴィンテージ家具ならではの味わいを考慮したお買い物ができるようになります。

インテリアとの調和をチェック

気に入ったヴィンテージ家具を見つけたら新たに購入する家具が、既にある家具やインテリアと調和するかを考慮しましょう。特に木材の色味が新品家具とヴィンテージ家具で空間にフィットしないことがあります。一体感を味わうためにヴィンテージ家具で揃える方法もあれば、広いワンルームスペースの空間を2つのお部屋のように空間を分けるためにあえて雰囲気を変える方法も。私の好きな物を集めたオリジナルの空間を作るためにも、既存のインテリアの雰囲気に合う家具のイメージを持っておくことをお勧めします。


北欧ヴィンテージ家具で日常の暮らしに豊かさを足して

いかがでしたでしょうか。
北欧ヴィンテージ家具は、シンプルで機能的なデザイン、美しい木材の風合い、そして長年の使用による味わい深さが魅力です。これらの家具は、現代のインテリアにも自然に溶け込み、空間に温かみと個性を与えてくれます。また、デザイナーの想いや歴史が込められた一品一品には、他にはないストーリーがあります。北欧ヴィンテージ家具を取り入れることで、日常の暮らしに豊かさと深みを加えてみてはいかがでしょうか。

×